伊賀耳付花入 銘からたち 002

鶴田 純久
鶴田 純久
伊賀耳付花入 銘からたち 002
伊賀耳付花入 銘からたち 002

Flower vase with two handles. known as ¨Karatachi” Height28.4cm Hatakeyama Kinen,kan Museum Registered as lmportant Cultural Property

重要文化財
高さ28.4cm 口径8.2cm 左右15.0cm 底径13.0cm
畠山記念館
 桃山時代の和陶花入のうち、もっとも声価の高いのは伊賀焼であります。一般に織部好みと認められている作為のつよい特異な器形と、法外ともいえる激しい焔の洗礼を受けて生まれた凄味のある焼膚とが異様に調和して、他の窯の作品では味わうことのできない破格の美しさをもたらす。しかも草庵の茶室にあって花を挿すと、いかなる花入より荘重な床の間を出現させる。
 伊賀焼に見る破格の美を象徴するのが、この花入といえる。外に開いたロ造りは口端を内に抱えて寄せ口とし、頸部を引き締めて左右に耳をつけ、六角面取りにした胴は裾に箆をまわして姿を整えています。焼成中に□部が割れて欠失し、その残片が頸や胴に散り、そのうちの一片、三角の破片が胴の上部に付着して鋭い棘のようであることから、棘のあるからたちに因んで「からたち」と名付けられたらしい。口部から胴にかけて薪の降灰をずっぽりと被って、上部は灰黄色と一部草緑色の釉膚をなし、下半部は暗緑色、紫黒色に焦げています。伊賀のこの種の灰釉を俗にビードロと呼んでいますが、自然柚であるから裾から底にかけては柚はかからず、褐色に焦げた土膚は意外にやわらかく焼き締まっています。頸部の表と背面にある欽付穴は填められています。かつて加賀の前田家に伝来したものであります。

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