伊賀花入

伊賀花入 銘生爪 001

伊賀花入 銘生爪 001
伊賀花入 銘生爪 001

Flower vase, known as “Namazume¨
Height 25.3cm

高さ25.3cm 口径10.8cm 底径13.0cm
 太い筒形の花人の口部を鐸のように水平に開き、胴中央よりやや下に太い胴筋をー筋めぐらした、全体に力強く、しかも素朴感のある作振りで詫びた趣の花入であります。正面口部から裾にかけて、あたかも瀑布のように草緑色の釉が流れるようにかかり、背面は赤い膚に一部灰色や黒色の焦げが生じた鮮やかな景色をなし、背面にカンを付け、正面上部にも紋付穴を填めた跡があります。これと似た器形で千利休在判の花入があることから推して、天正年間後期の伊賀焼であったことは明らかで、あるいは利休の好みを受けた茶具ではなかったかと推定され、桃山の伊賀焼花入のなかでも初期的な作例と考えられます。
 しかもかつて古田織部が所持していたものであり、下記のような織部の書状が添っている。「花筒つめをはかし候やうに存候宗是ことって進入候我等より参候茶入宗是に可被遺候来春万々可得貴意候間不能詳候以上恐惶古織部大晦日(花押)宗ヶ老人々御中」とあり、愛蔵していたこの花入を譲るのは爪を剥がされるような思いであると述べているのがおもしろく、それによって「生爪」と称されています。懇望したのは茶の湯者として知られた上田宗箇で、後に道朴、伊丹屋宗不と伝来しました。