青磁トキヤロ香合 せいじときやろこうごう

青磁トキヤロ香合
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
青磁トキヤロ香合
青磁トキヤロ香合

形物香合番付東方五段目。番付の位置は低いが、造形が特殊で、呼称が変わっているので人気がある。
 「トキヤロ」というのは実はおとぎやろうの訛ったもので、春を売る舟人物ということになるが、もちろん作者にその意図はなく、単なる舟上の人物を題材にしたもので、いかにも中国風であるところがかえって好ましく思われ、その親近感を夜伽の人に結びつけたものであろう。
 かつてこの名を好まず、中国の故事に因んで「載安道」と呼ぶべしと主張した人があったが誰も採用せず、かえってその人の綽名となったという逸話がある。中国明代七官青磁の小香炉を香合にとり立てたものである。
【寸法】 高さ:6.0 口径:4.0~9.8
【所蔵】 逸翁美術館

前に戻る
Facebook
Twitter
Email