赤楽 名物
付属物
内箱 桐 白木 書付 覚々斎宗左筆 同蓋裏 書付同筆
中箱 杉 白木 書付 如心斋宗左筆 同蓋裏 書付同筆
外箱 桐 白木 書付 一燈宗室筆 仕覆 茶地石畳純子
伝来
後藤宗伴―兵庫屋清次郎―元文三年、大阪 瀬戸九郎左衛門―三井三郎助―大阪 津田休兵衛号翠江―藤田彦三郎
所載
古今名物類聚 名物茶碗集 富永贛著 茶器名形篇 本朝陶器攷証 閑居偶筆 大名物茶怨類集 苦心録 大正名器鑑
寸法
高さ：7.7～7.9cm 口径：10.2cm 高台径：5.4cm 同高さ：0.8cm 重さ：322g
包柿の銘は覚々斎によるもので、その由来は覚々斎の箱書に記されている。すなわち「此を木守と云伝 木守ニアラス むかしなるそれは木守 いまなるはつつなるほとにつつみ柿にせん」。これによると一時木守といわれていたこともあるようである。
肉取りぼってりとして、ロ造りは丸くやや抱えぎみで、緩い高低をみせ、腰張りになっている。高台は大きく、内に兜巾立ち、高台際の切込みは深い。この作行きは長次郎茶碗の特色ある一つのタイプである。赤土に失透ぎみの釉がかかって、いったいに白いむらが出ているのも、長次郎の赤茶碗の特色で、釉肌にも光沢なく、ことに高台まわりや見込みはかせて、ひとしお寂びた味を表わしている。大割れであるが、かえって侘びの趣を加えている。高台畳付に目が五つある。
