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走井

走井
走井

伊部 中興名物
付属物
蓋二 内一 窠
仕覆三 仕覆箱二 桐 黒掻合塗 朱塗書付 桐黒掻合塗 書付
挽家一 挽家仕覆 竪縞更紗
内箱 桐 黒掻合塗 金粉文字 書付
外箱 書付 松平雪川筆
伝来
寿命院―細川越中守―松平乗邑―堀田相模守―松平不昧
所載
古今名物類聚 名物記 諸家名器集 麟鳳亀竜 名物目利聞書 苦心録 伏見屋覚書 松平不昧伝 大円庵茶会記 箒庵文庫甲第九号
寸法
高さ:6.3cm 口径:2.2cm 胴径:6.5cm 底径:3.4cm 重さ:98g

 備前伊部の窯で、丸壺形の茶入は珍しく、名物として、関寺とともにこの二つがあげられている。
 あら削りで粗作な備前窯から、唐物形の品よきこの茶入を造らせたのは、何者であったであろうか。あるいは遠州であったかもしれない。
 釉がけを用いないはずの備前窯に、かくも見事によきほどの部分に、ごま釉が落ちてふりかかった景色を出したのは、人工の及ばぬはずの窯の中で、よくもなしとげた実例と見られる。この二つの茶入のほかに、窯の中には、いくぼくの数の茶入が入れられたか、想像にかたからぬ奇妙の焼成であると思われる。
 仕覆は三個。いずれもよく取り合わされている。
 松平雪川は不味の舎弟で、数奇、風流の名が聞えた人である。

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