赤貧茶碗 銘雪片 133

鶴田 純久
鶴田 純久
赤貧茶碗 銘雪片 133
赤貧茶碗 銘雪片 133
ライン

高さ9.8cm 口径8.2~9.1cm 高台径5.0cm
 桑の内箱の蓋表に金粉字形で「雪片」とあり、その書体が光悦様であることから、古来共箱と称されているが判然としない。伝えによると、光悦の女婿であった近衛家諸大夫藤井播磨の所持で、後に京都の三井家の蔵となり、さらに姫路酒井家、明治四年に大阪の道具商戸田露吟が求め、さらに比留間家、金沢の亀田是庵、ふたたび戸田、金沢の松岡家と伝来し、第二次大戦後は林屋林鐘庵を経て現所持者の蔵となっている。
 小振りで酒脱味のある作行きの茶碗で、腰はきっかりと衝き、高台は低く、腰から口部にかけて開きぎみに直線的に立ち上がっている。口部に厚く薄く変化をつけ、口縁には起伏があり、平らに箆取りされている。高台は不正の楕円でいかにもおもしろく、やや片寄ってついていて、高台内の削込みは深い。口辺から胴にかけて縦箆目が多く残り、光悦の茶碗としては、他の作と違ってどこか気軽に荒々しく削り上げられた趣があり、孫の空中の作行きに近い。釉膚はよく溶け、黄みをおびた檀色に近い赤茶碗で、口から胴にかけて一部火変りしている。「雪片」の銘は、赤い釉中に白い飛釉が片々としているのによったもので、その景色が茶碗に漂洒な雰囲気をもたらしている。口辺や胴に縦横の窯疵が生じている。

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