色絵 梅花散文 水注

色絵 梅花散文 水注
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
色絵 梅花散文 水注
色絵 梅花散文 水注

高さ21.8cm 口径7.5cm 左右12.3cm 底径5.4cm
 これとまったく同様の作品が英国にあり、その口部につけられた金具に1671年、すなわち寛文十一年の年号が入っているので、寛文十一年以前にヨーロッパに輸出されたものであることは明確である。これを発表したのは元大英博物館東洋部長のソーム・ジェニンズ氏であるが、その作風が従来古九谷と称されていた作品のなかの一部のものと似ているので、ジェニンズ氏は古九谷は有田で焼かれたという判断を示したのである。そうした意味で、寛文年間前半の輸出磁器を推測する上で重要な資料であり、さらに古伊万里と古九谷とを考察する上でも重要な資料である。近年ヨーロッパより請来された作品であるが、その器形から見ても明らかにヨーロッパからの注文によって作られたものと思われる。胴には雲文様と梅鉢文を散らし、間に細かい線描地文を施している。肩と裾に赤い線をめぐらしているが、それはこの手の古伊万里の最も大きな特色といえよう。

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