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鶴田 純久の章 お話
色絵 人形 酒壺
色絵 人形 酒壺

高さ36.0㎝ 出光美術館
194色絵七福神文酒壺
通蓋高42.5cm 身高34.5cm 口径6.1cm 三脚
195色絵 牡丹文 酒壺
通蓋高32.8cm 身高27.7cm 口径8. Ocm 四脚
 第193図から第195図にいたる作品は、
によって製作された輸出磁器のなかでも、特異な作例のものである。いずれもワインを注ぐ大振りのボトルとして、いわば酒樽の代用として作られたもので、第193図の作品は樽の上に人物が跨った器形である。型作りであるが、作調は柿右衛門手の寛文美人人形に比べるとかなり粗放であり、前者を上手のものにするならば、これは下手のものである。しかし、その作振りはおもしろく、類例は少ない。第194図の器形は、明らかにヨーロッパにある金mmのこの種の器を倣ったものであるが、胴にあらわされた文様は和風の七福神の図が描かれている。鯛に乗った恵比須、毘沙門、弁天などの文様を浮文にあらわし、他に枝垂桜やさまざまな文様が配されている。蓋の紐などは金属器のそれを倣ったことをよく示している。第195図は胴を四方にした同様の酒樽で、四面には牡丹、藤、椿、菊、鉄線蓮などの文様をあらわしている。染付や赤の色が濃く、上絵は赤と金彩のみである。延宝から元禄頃の作であろう。いずれも、近年ヨーロッパから請来されたものである。

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