Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
色絵 牡丹菊文 皿
色絵 牡丹菊文 皿

高さ7.1cm 口径27.7cm 底径11.5cm
栗田美術館
192色絵 美人文 皿
高さ6.8cm 口径30.8cm 底径15.8cm
 これらは俗に髭皿と呼ばれているが、円形の鐸をもつ皿で、一部を半円に落とした形はまさにシェーピング・ディッシュのようである。第191図は古伊万里独特の表現で、前図と似た時代のものであろう。色調の濃い染付と赤、緑、黄、金彩などで、牡丹と菊の文様をのびやかにあらわしている。裏面の三方には撫子など草花の折枝文をあらわし、高台には櫛目文様をめぐらしている。第192図は典型的な和風の文様で、屏風の陰に寛文美人、庭に桜を配し、さらに縁側を薄い染付であらわし、その横に手洗鉢が置かれている。回りには蝶と菊を唐草風に描いているが、この種の髭皿のなかではことに優美な絵文様のものである。裏面には、二方に染付と上絵で梅の折枝文をあらわしている。
 第185図から第192図にいたる染付や色絵の古伊万里は、ヨーロッパに輸出されたもののごく一部で、他にさまざまの絵文様のものが多量に輸出されているが、共通した作行きのものが多い。

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