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鶴田 純久の章 お話
信楽水指
信楽水指

通蓋高19.0cm 身高16.8cm 口径13.1cm 底径16.9㎝
畠山記念館
 「礒シミヅ」と同時代の、いわゆる利休信楽水指の代表作であります。
内に斜めにすぼめた独特の口造りをなす水指で、口縁は緩やかに起伏し、全体的にざんぐりとした詫びた作振りであり、素朴な紐のついた平らな蓋が添っています。背面の口部と正面の口辺から胴にかけて黄緑色の釉が降りかかり、土膚は全体に茶褐色に焼き締まり、大小の長石粒が全面にあらわれています。底は平底で、二か所にくっつきの跡が残っています。伝えによると、利休から古渓和尚に伝わり、さらに大徳寺塔頭玉林院の什物となったもので、内箱の底に武者小略千家一世一翁宗守が「利休しからき水指宗守(花押)」と書き付け、蓋表にも「玉林院」と書されています。

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