軟磁器あるいは妬器素地に掛ける不透明白色釉で、亜鉛華を含む生釉であるようで、妬器の生素地に施釉し素地と釉を同じ温度で焼成する釉であると定義されています。
しかし現在では透明釉もあり乳濁釉もあるようで、色釉にもブリストルという名称を使っていますが、真のブリストル釉というのは亜鉛華・カリ・石灰・アルミナおよび珪酸から成り、時にマグネシアや酸化バリウムを使用することもありますが、酸化鉛だけは決して使用しないようです。
この釉の大きい利点は安価であること、鉛化合物を使用しないこと、生素地に安全に掛けることができることであります。
亜鉛華は釉の不透明性を増し熔け易くするためにかなりの量を調合しますが、これは高温になると揮発するので磁器釉にはあまり使用しないようです。
ブリストル釉は生掛けが主であるために釉調合にかなりの粘土やカオリンを使います。
このために建築用粘土製品に広く用いられるのであります。
融液の粘度は高いので流れ落ちることなく素地に融着させることができます。
一般にS.K5-9の範囲で使用される釉でありますが、S.K3位のものまでもできます。
また焼成時間がかなり長くなっても影響がありませんので、焼成温度を下げることができます。
(『工芸用陶磁器』)