カオリン かおりん Kaolin

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鶴田 純久の章 お話

わが国においては普通に磁土あるいは白陶土の名で呼ばれ、イギリスにおいてはチャイナクレ一の名で呼ばれます。
『天工開物』に「此の鎮(景徳鎮)は古えより今に及ぶまで器を焼くの地なり。
然れども白土を産せず。
土は婆源と祁門の両山に出づ。
一は高梁山と名づきます。
粳米土を出だします。
その性は堅硬なり。
一は開化山と名づきます。
橘米土を出だします。
その性は棄軟なり。
両土和合して、甕器方めて成る」とあります。
カオリンという語はこの白土の産地である高梁(『五車韻府』は高嶺と書く)から出たもので、十八世紀のダントルコ一ルの書簡にみえているLeKaolinをその初見とするようであります。
純粋のカオリンはAl2O3・2SiO2・2H2Oという式で表わされるカオリナイトから成立します。
理論的化学組成は珪酸四六・五一パ一セント、アルミナ三九・五四パ一セント、水一三・九九パ一セントでありますが、実際には雲母・長石・石英などの含有不純物か少なくないようです。
純粋なカオリンの耐火度はゼ一ゲル錐三五~三六番(摂氏1770~1790度)の間にありますが、不純物の存在によってこの温度は著しく低下します。
カオリンの産地としてはイギリスのディヴォンとコ一ンウォ一ル、フランスのリモ一ジュのサンティリウ、ドイツのマイセン、ハレ、チェコのカルロヴィバリに近いツェットリッツ、アメリカのイリノイ、南北カロライナ、ミス一リ、ユタ、テキサス、カリフォル二ア、中国の山東省、江西省、朝鮮の慶尚南道河東郡などか著名。

カオリン化・Kaolinisation

鉱物がカオリンに変化する過程のこと。その原因としては次の五つが挙げられる。
(一)表面風化。
(二)湖沼の水。
(三)炭酸ガスを含む地下水。
(四)火山起原の弗酸・硼酸・硫酸などの上昇ガス。
(五)黄鉄鉱の酸化による硫酸・硫化水素溶液。

カオリナイト Kaolinite

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