肩の部分の四方に、つまみや紐の留め具など耳がつけられた壺。世界最古の伝世陶磁として名高いです。天平6年(734)に光明皇后が法隆寺に献納された「丁子」と呼ばれる香料の容器でした。中国南部の浙江省を中心とした地域で生産された青磁で、盤口をもつ器形や灰緑色のなめらかな釉調などから判断して製作年代は南朝末頃とみられます。