Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

薩摩国(鹿児島県)島津藩主の御手焼には、義弘の古帖佐焼加治木御庭焼・苗代川焼、家久光久の竪野焼・苗代川焼、重豪の竪野焼、斉彬の磯御庭焼・楽焼、忠義の仙巌焼などがあるが、御判手と称するのは義弘および家久が良器に自ら捺印したもので、もっぱら恩賞品として臣下に下賜された。製品は古帖佐焼の白物および苗代川の白薩摩で、茶碗や茶入の類である。印には二種がある。古帖佐焼茶碗の茶溜まりにある「万」字様の刻印と、苗代川焼茶碗の胴にある「義」字印古万古仙盞瓶粉引松平こ<ysf_08765.txt>う。
である。「万」字様のものは義弘が朝鮮出陣の際得中国古銅印であるという。なお別説があって、御判手は義弘が朝鮮従軍中楽しみにつくらせ、自茶碗をゆがませて自印を捺したものであるとい一説によるとその銘印に大指形の印、「當仁」の印などがあるとしているが不詳。(『陶寄』『薩摩焼総鑑』)

前に戻る
Facebook
Twitter
Email