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狛犬 こまいぬ

神社拝殿の両側に銅・石・陶・木などによって蹲する獅子形をつくり置いたものをいう。また清涼殿内の御簾几帳の裾などに置いた鎮子もある。
陶製狛犬の大部分は瀬戸系統の作品に属するもののようで、その代表作は瀬戸市深川神社蔵の重要文化財伝陶祖藤四郎作の狛犬である。伝えによると藤四郎が深川神社に祈って祖母懐の土を得たので、神徳に感じて自ら一対の狛犬を製作して奉納したという。中世その雌犬は所在不明となり、現存する雄犬も足を損ねてその形は完全ではない。右前肢は中程から折れ、左はまったく欠損して木片で補修している。後部の足首も左右ともに欠け、頭部中央の一角が失われ、両耳の尖端も欠損している。高さ五二センチ。その製は磁器質に属するもののように胎土が鼠色で、焼け締まってはなはだ堅く、釉色は淡黄より黄変して琥珀様の感じがする。ところどころ生のこまかい釉ひびもみえ、椿古窯の出土品のそれに似ている。鬣に櫛目を見せ、使いは非常に力強く、容姿は生きているかのように簡古なうちにも威厳がある。瀬戸地方では以後各時代を通じてやきものの狛犬がよくつくられ、同地方の神社の狛犬はおおむね陶製である。(『張州府誌』『東春日井郡誌』『瀬戸町誌』)

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