Jar. Dated Kõei 3 (1344). Height 40.5cm. Japan Folk Art Museum.
康永三年(1344)銘
高さ40.5cm 口径11.8cm 胴径30.3cm 底径17.5cm
日本工芸館
従来、紀年銘を有する数少ない丹波の壺として、編年基準にされてきた著名なものである。肩に「康永三甲申七月日」 の彫銘がある。
しかし、前にも延べたように丹波のこの時期の壺には玉縁は存しません。口頸部のつくりは全く備前のそれです。また器面に現れた細かい轆轤整形は丹波の技法にみることがありません。肩にかかった自然釉の色調も丹波のそれとは異なっています。そのいずれの特徴をみてもこれを丹波とすることはできないのであって、むしろ鎌倉時代以来紀年銘の数多い備前近くに、その製作地を求めるのが妥当ではありますまいか。今後の検討を要します。