Seto ware: ribbed jar with cover, iron glaze. Excavated from Hironota Ceramic Kiln, Seto-shi, Aichi. 14th century. Overall height 7.6cm., cover 2.0cm. jar 6.0cm.
愛知県瀬戸市広の田窯出土
14世紀
総高7.6cm 口径5.3cm 胴径7.2cm 底径 4.8cm
腰のしまった広口を小形にした珍しい合子です。0.5cmの短口頭部、胴に太い丸彫りによる縦位の沈線を設けた姿はあたかも文酒会を小形にしたように見受けられます。灰白色の素地で水挽き成形です。蓋は直径6.7cmあり、通有な合子の蓋と同じつくりで、裏面に直径2.2cmの突起があります。上面には中央に環状の紐をおき、その両側に、紐に向かって手足を拡げ、伏した姿の二匹の猿を貼り付けています。余白には小さい菊印花文を両側に二箇所、三個ずつ組み合わせて押しています。鉄釉は茶褐色の光沢ある安定した釉質のもので、凹部の軸だまりは黒褐色を呈し、変化に富んだものとなっています。
