Ryōnyü: squared tea bowl, Black Raku
Mouth diameter 10.3 x 11.5cm
高さ 8.3cm 口径10.3×11.5cm 高台径5.0cm
口部から腰にかけて胴を撫四方にした茶碗で、全体薄く成形されています。やはり道入の撫四方の茶碗を倣ったものと思われます。高台は畳付を平らにした片薄高台に削られ、高台内の削込みは正円に近いです。高台と高台脇を残してかけられた釉は変化に富み、内側から口部にはそれが幕釉のように厚く滑らかにかかり、外側は薄くかかっさて、一部に黄はげが生じています。内側から口部に朱釉が流れるように鮮やかに呈発しています。腰から高台際にかけて了入独特の不規則な釉切れがまわり、高台は白い土を見せています。高台内と腰に隠居印を捺しています。蓋裏には「黒四方茶碗 戊子年仲冬 了入造(花押)」と了入自身が書し、この茶碗が文政十一年七十三歳の作であることをうかがわせます。