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鶴田 純久の章 お話

朝鮮唐津耳付花生

朝鮮唐津 耳付 花入
朝鮮唐津 耳付 花入

高さ23.9cm 胴径12.3cm 底径9.6cm
出光美術館
 白濁釉と黒飴釉をくっきりとかけ分けた、いわゆる朝鮮唐津の花人のなかではもっとも優れたものです。 叩き作りで成形され、 胴は六面に面取りし、引き締まった頸の左右に耳をつけ、 段のついた口部は内にすぼまっています。 白濁色の藁灰釉は厚くかかり、 黒飴釉になだれるように混ざっていますが、上下が鮮やかなコントラストを見せていてまことに鮮麗です。 叩き作りであるから底は平らで、手取りは軽く、胴には細く縦箟目を入れて変化をつけ、底にも釉を薄く塗っています。もちろん花入として作られたものですが、 藤の川内窯の作か、 高取の内ヶ磯窯か判然としません。 かつて大阪の鴻池家に伝来したもの。

朝鮮唐津 耳付 花入
朝鮮唐津 耳付 花入

髙さ23.9㎝
口径6.1㎝
底径9.6㎝
出光美術館
 藤の川内の朝鮮唐津花入の白眉であるでしょう。
もちろん輪積み叩きによる吠形でありますが、胴を六角に面取りして変化を付けているのと、その各面に箆による縦あるいは斜めの刻みを入れているのが、並の作でないことを物語っています。
三段にすぼまった口の下の短い頚には二つの耳が付き、裾は円座風の台になっています。
口から肩にかけて流しがけした藁灰釉が、飴釉のなかに毛筋を引いて流れ入るあたり、申し分のない景色であります。
口の側面に一孔をうがっていますが、掛花入に使うために後からあけたものであります。

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