高さ9.9㎝
口径11.4㎝
高台径5.4㎝
唐津にはその系譜を反映して李朝風をとどめる作品が多いが、この茶碗は意識的に李朝陶を写した珍しい例であります。
俗に三島と呼ばれる印花象嵌の陶器を写した茶碗や水指は、大草野や椎の峯などの窯でしきりに作られていますが、この茶碗には鳴子文の象嵌のほかに、「礼用慶執」という文字が象嵌されています。
李朝の迎賓館である礼賓寺の什器のいわゆる礼賓三島を写したものであることは明らかだ、それにしても胴を二段にした織部風の作りと三島写しとの対照が面白い。
三島唐津の名品といってさしつかえないようです。