白さび竹に煤竹色のある美杓。
櫂先を一文字に削り、撓めは二段撓めに近い。
節上にごまがあり、節下にもさび色をみる。
筒は綺麗寂びの太筒で下半に斑の景色を置き、上半を面取りして「〆 将」の二字の書付が独特の品位をみせる。
意識的な表現は前時代にはなかった作風である。
『雲州蔵帳』所載。
将監は織部門下、佐久間勝之の嫡子。
家康・秀忠・家光の三代に仕え、晩年京都紫野大徳寺内に寸松庵を結び、寸松庵・匿藪斎と号す。
寛永十九年十月二十二日没、七十三歳。
【付属物】箱―桑被せ蓋題箋桐はめ込書付松平不昧筆「佐久間茶杓」 譲状―松平家
【寸法】茶杓―長さ17.1 幅10.5 筒―長さ20.0 径2.7