伝藤原公任筆。
『古今集』巻七断簡。
和泉国堺の何人かが所持したために「堺色紙」と名付けられたのであろう。
『古今集』を書写した巻子本を分割したもので、現存するのは十首で一紙ごとに大小がある。
料紙は薄藍色の斐紙に蝶・鳥・松・桜・紅葉・秋草などを銀泥で描いている。
同時代の料紙中、個々の下絵が最も大きく豊かで、行間を広くとり、見事な散らし書の空間構成が示され、文字に抑揚が際だち、明快な表現がみられる。
伝公任筆「大色紙」「御物巻子本和漢朗詠集』『西本願寺本三十六人集』の『重之集』『清正集』と同筆と認められ、書写年代は十二世紀初頭で、三十六人集が書写された頃である。
【寸法】本紙―縦26.6 横22.7