藍紙本万葉集切 らんしぼんまんようしゅうぎれ

藍紙本万葉集切
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鶴田 純久の章 お話
藍紙本万葉集切
藍紙本万葉集切

これふさ伝藤原公任筆。
『万葉集』巻九断簡。
平安時代に書写された五種の『万葉集』を「五大万葉集」と呼んでいるが、藍紙に書かれたこの『万葉集』はその第二位する。
もと巻子本の装丁であり、上下に墨野が引かれ、粗い銀砂子を撒いている。
『北山抄』(巻3.7 前田育徳会蔵)には承保三年(1076)の年紀をともなった藤原行成の孫伊房(1030~196)の奥書があり、同筆の「藍紙本万葉集切」もその前後の書写になるが、はるか円熟の境地を示し、男性的で素朴な表現は平安朝古筆切中の異色といえる。
伝公任筆『十五番歌合』と同筆である。
【寸法】全体―縦139.0 横41.8 本紙縦26.4 横15.3
【所蔵】五島美術館

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