黒楽
付属物
箱 桐 白木 同蓋裏 書付 一燈宗室筆
伝来
京都 小松原福井家
寸法
高さ：6.9～7.1cm 口径：12.0～2.4cm 高台径：5.0cm 同高さ：0.4cm 重さ：305g
荒磯の一燈銘は、腰から裾にかけての白い蛇蝎釉の奔転するさまを、巌に砕け散る怒濤に見立てて、名付けたものである。
浅めの茶碗で、作は薄く、胴締めになっている。漆黒の光沢うるわしいノンコウ釉がかかって、土見ずであるが、幕釉の垂れは裾まわりに蛇蝎釉となって、荒荒しく起伏旋回し、そのはげしさはまさに怒濤さながらである。
偶成のものではあるが、釉景として強烈な点では、おそらくノンコウ随一というべく、この茶碗における最大の見どころである。
高台造りきっかりとして、内に楽印が捺され、畳付には飴がかった釉色がみられ、目が四つある。
