


略伝
藪内家は、家祖は剣仲、二代真翁・三代剣翁・四代剣渓・五代不住斎竹心・六代比老斎竹陰と続くのであるが、この剣翁は名は宗利、字は休甫、雲脚亭と号し、延宝二年(1674)十二月十三日、73歳で没している。
茶杓
藪内流の茶杓は四代剣渓まで代々による特長はなく、鑑別に苦しむところであるが、四代目竹心からはっきり藪内流の個性が発揮されている。この三代目の剣翁茶杓も漆を拭いて、古作をねらった茶杓とうけとれる。
筒
ごま竹の荒れ筒で、つめの丸帽子型なのは後年の藪内型の先軀と見られる。上下すぼまりの紡錘型の筒も藪内型を形成する過渡期の作と推考される。漆書で「ゆつりは(花押)」
付属物
内箱 桐 白木 同蓋裏 書付 竹尹宗卿筆
「剣翁紹智作茶杓 藪竹尹宗卿(花押)」
外箱 桐白木 同蓋裏書付 透月斎竹窓筆
追記
宗卿竹尹は珍牛斎と号し、八世竹猗の兄にして江戸にて一家を樹つ。
弘化元年(1844)没、78歳。
寸法
茶杓
長サ17.7cm
幅0.5―0.9cm
厚サ0.25cm
筒
長サ21.3cm
径2.8cm



