高さ8.5cm 口径24.6cm底径11.4cm
高台の低い、ゆったりと椀形に立ち上がった、伊万里型物としては類例の少ない鉢である。見込には大振りの柚の折枝文を白地に染付と青、黄などでくっきりとあらわし、縁回りには六方に窓をもうけて菊と牡丹の文様、地は赤地に白抜金彩で唐草をあらわし、外側には唐花文を六方割の内に描き、間に菊文様を配している。伊万里型物独特の華麗な配色である。高台内中央に一重の円圏を染付であらわし、目跡が一つ残っている。伊万里型物のなかでは、このような形式のものを俗に準型物と呼んでいるが、本型物と準型物との区別が、いつ頃からどのような基準によってなされたかは判然としない。