高さ8.5cm 口径6.7cm 底径5.1cm
樂美術館
これも阿古陀形の香炉で、常慶印が高台内に捺され、高台回りを残して白柚がかかっています。興味深いのは、この香炉とまったく同様の作行きのものが、二代将軍秀忠の遺骸が葬られていた東京の芝増上寺の墓所から発見されたことで、常慶作の香炉が二代将軍徳川秀忠の遺骸の前に置かれていたことは、徳川家と常慶時代の楽焼とのつながりを明確に物語るものであり、歴史的資料として貴重なものといえます。胴の六方に縦筋をめぐらした阿古陀形の香炉で、口造りは矢筈風に、高台は前図と同じく茶碗のような高台がつけられています。