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鶴田 純久の章 お話

名物。楽焼茶碗、赤、ノンコウ作。
茶碗の見込に白釉が掛かっているのを白雲に見立てて『新古今集』の「よそにのみ見てややみなむ葛城や高間の山のみねの白雲」の歌に因んでの銘でありますが、銘は千如心斎の撰で、葛野道有所持の時その依頼によって銘じたものです。
如心斎はこれを見て羨望の念止み難く、いく度か懇望しましたが、道有は応じなかりました。
そのためやむなく「よそにのみ見てや」の歌に思いを残して白雲と銘じて1738年(元文三)に返却したといいます。
のち内藤理兵衛を経て神戸田村家に入りました。
(『大正名器鑑』)

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