真鐘または銅線の細いものでこまかく編んだ金網を張った浅い小筒形のもの、または太い電線位の太さの亜鉛メ。
キ鉄線を曲げて直径7-8cm位の円形か楕円形にしこれに前記の金網を張り付けたものを用います。
要するに、このようなこまかい目の金網を張ったものを片手に持ち、もう一方の手にあらかじめ顔料泥漿を溶かした水の少量を適当に含ませた小さな刷毛(刷毛の毛は少し硬いものを選ぶ方がよい)を持ち、手速くその金網面を上下左右に擦りますと、毛の先端が針金を打ちその時顔料がこまかい霧となって金網の反対側に飛び散ります。
すなわちこれを応用して、絵付しようとする陶磁器の部分から7-8cm離れたところから前記のように顔料泥漿を含んだ刷毛で金網面を擦り、顔料泥漿の粉末を任意の部分に任意の濃度に散布して装飾を施す方法を振掛絵付といいます。
その型紙使用方法などはまったく吹掛絵付と同じ目的によりますが、後者に比べて簡略でかつ機械を購入する必要がなく、また顔料の濃度を自由にできる便利がありますので、吹掛法によるより少し多くの時間を要する不便があるとはいえ、わが国各陶業地で広く利用されています。
瀬戸地方でははき絵または吹絵といいます。