京都市東山区山科勧修寺の大日廃寺から出土した重要文化財の緑釉壺がよく知られていますが、このほかにも各地から緑釉掛かりの破片や瓦が多く出土しています。
緑釉陶器を焼いた窯跡は、愛知県小牧市上末、滋賀県蒲生郡日野町中山作谷。
同8日市市土器町十禅谷、京都市左京区岩倉幡枝町栗栖野、京都市北区上賀茂本山、大阪府吹田市吉志部などが挙げられています。
奈良三彩とは異なって、堅く焼き締められた須恵器調の素地に、酸化銅を加えた釉を掛け、低火度の酸化焔で焼き上げたものであります。
いずれも須恵器の窯の申から出土しています。
(『日本の陶磁』)