FIowervase with two handles Height28.0cm
高さ28.0cm 口径10.0cm 左右16.1cm 底径13.0cm
俗に唐犬耳とよばれていますが、口の左右に方形の耳をつけた珍しい姿の花入であります。口縁は内にすぼまって、肩はまるく張り、胴はわずかに開きつつ裾にいたり、がっしりとした底部がそれをうけています。肩下に山路状に起伏するやや深い箆彫りをつけ、胴の左右に浅い縦箆目を一筋、二筋、背面にも指先でつけたような太い縦筋を一筋くっきりとつけ、胴裾にも横に深い箆目をめぐらしています。表には厚く激しく灰が降りかかり、上部は暗褐色に焦げ、左下半部は暗い緑青色の釉膚があらわれていますが、そのさまはあたかも苔むした巌を思わせる。一変して背面は無釉、淡褐色の焦げ膚になり、裾まわりのみ黒く変化しています。底は平底で窯割れが生じています。これも肩に欽付穴を填めた跡があります。
