高麗塩笥 こうらいしおげ

marusankakusikaku
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鶴田 純久の章 お話

中興名物。朝鮮茶碗、高麗。
塩笥はまた塩桶とも書きます。
朝鮮でもと塩入れに用いていたものであるでしょうか、とにかくその形が塩壺に似ているのでこの名があります。
総体に枇杷色で、一方は光沢が麗しくもう一方はカセが多く、裾のところどころにかいらぎがあります。
高台の一部は竹の節をなし、底内の中央がやや高く、内部は口が締まり胴が張り、輔櫨目は見込内でことに明白に現れ、茶溜まりはやや深く凹んでいます。
土目はこまかく、ところどころにこまかい貫入があって、時代は古く、いわゆる奥高麗の標本であります。
また佗び茶碗の最高品といえましょう。
もと利休所持、1644年(寛永二一)将軍家光より微妙院前田利常に賜り以来同家に伝来。
(『古今名物類聚』『名物記』『大正名器鑑』)

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