苔志水 こけしみず

marusankakusikaku
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鶴田 純久の章 お話

名物。楽焼き茶碗、赤、長次郎作。
苔志水は苔清水の当て字であります。
『名物目利聞書』に「西行の歌に、とくとくと落つる岩間の苔清水くみほす程もなきすまいかな、仙叟此歌を取て名に付けられしよし」とあります。
小服で筒形の気の利いた作行。
ノンコウなどをみるようで、楽慶人はかつて「苔清水はノンコウ作なり」といったといいます。
長次郎作としては一種の変物と評すべきであります。
寛政(1789-1801)の頃は松平不昧所持、その後大阪方面に転伝し、後年大阪逸見家道具売立の際兵庫県灘の嘉納家に納まりました。
(『古今名物類聚』『大正名器鑑』)

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