色絵 泊船文 大鉢

色絵 泊船文 大鉢
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
色絵 泊船文 大鉢
色絵 泊船文 大鉢

Large bowl with sailboat design, enamelled ware
Mouth diameter 46.5~47.5cm
高さ13.4cm 口径46.5~47.5cm 高台径18.9cm
 古九谷様式色絵初期の代表作として知られる作例で、図2とともにもっとも大振りのものでしょう。腰に段をつけた大平鉢で、口縁は低く立ち上がっています。大振りですだけに見込は深く、高台は口径に比して小振りで、低く分厚い。畳付を除いた全面に白釉がほぼ均等にかかっています。見込中央円窓内に大きく船一艘を描き、そその後ろに干網と、その前景として左右に岩と土坡を大胆に意匠化しています。円窓のまわりには、鋸歯状の花弁文をめぐらし、開いた縁に波形の唐草文を赤線描きであらわし、あたかも白抜文様に見えるように赤絵具をさしています。見込の紫、緑、黄の暗い色調の上絵に対して、縁まわりに赤地白抜風に見える唐草文を配した構図は、心憎いほどよく調和しています。さらに口縁に太い線を薄い染付でまわしていますので、縁文様がいっそう映えるのでしょう。裏面には三方に渦を中心にした雲文を配し、高台内には「太明」の文字をいずれも赤上絵具で描いていますが、その文字は古伊万里染付にみかける染付の「太明」 銘と類似しています。その高台内に釉はげがあり、高台脇に指跡が残っています。

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