色絵 唐人物文 大壺

色絵 唐人物文 大壺
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
色絵 唐人物文 大壺
色絵 唐人物文 大壺

Umezawa Kinen-kan Museum
Covered large jar with Chinese figure design, enamelled ware
Height 58.0cm
高さ58.0cm
 三方にあらわされた窓内に太湖石を中心に竹梅の図を描き、左に団扇をもった人物、右に傘をさした人物をあらわした特異な図柄のもので、頸部には洋花を唐草風にあらわしています。この種の大壺は大中小の数種がつくられてヨーロッパに輸出されたものであり、1688年(元禄元年)から1695年(元禄八年)にかけて造営された、ドイツのオラニエンブルク城のポーセレンキャビネットに収められ、後にベルリンに造営されたシャルロッテンブルク宮殿に移されたコレクション中に収蔵されていますものと同様のもので、少なくとも最下限を元禄八年に押さえることのできる資料的価値の高い作品であります。
 しかしその作風などから推して、延宝の末期から天和、貞享の間まで遡るものではありませんかと推測されます。近年この種の壺は、わが国に四、五点請来されたが、共蓋を伴っていますのは少ない。輸出用乳白手柿右衛門のなかでは代表的な大作の一つであります。

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