色絵 菊唐草文 龍鳳文 鉢

色絵 菊唐草文 龍鳳文 鉢
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鶴田 純久の章 お話

 オランダの東印度会社によって、万治二年(1659) 頃に輸出された色絵磁器は、この種のものではなかったかと推測されます。文様は、当時中国からもっとも多く輸入されていましたと推測されます 明時代末の呉須赤絵の影響を受けた作風のものであります。図35の龍鳳文と似た文様の染付の素地が、有田の初期の古窯跡から出土しており、また器形も類似していますので、この種のものが正保から慶安、承応、明暦頃に焼かれていたものと思われます。古窯跡から出る作品の多くは染付でありますが、これは初期の乳白手ともいえるやや雑な白無地の素地で、その上に赤を主体に緑、黄の上絵で絵付しています。筆行きはいずれものびのびとして形式的ではなく、闊達な趣は初期のものだけがもつ特色ではなかろうか。両器とも見込に牡丹の折枝文があらわされ、図35には裏面に鳳凰が描かれています。

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