須恵器 鳥付装飾須恵器

須恵器 鳥付装飾須恵器
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
須恵器 鳥付装飾須恵器
須恵器 鳥付装飾須恵器

Sue ware: jar with bird ornament. Excavated from Ishizuka No. 2 Tumulus, Chiyoda-machi, Hiroshima 7th century. Height 50.5cm. HiroshimaPrefectural Educational Commission.
広島県山県郡北広島町石塚2号墳出土
7世紀
総高53.8cm (鳥)高さ18.0cm 長さ20.2cm (壺) 口径11.9cm 胴径22.6cm 高台径15.8cm
広島県教育委員会
 昭和四十八年四月発掘されたもので、古墳は直径10m、高さ2mの小円墳です。内部に全長4.5mの横穴式石室があり、鉄刀子や若干の須恵器が伴出しています。遺物からみた年代は7世紀中ごろと考えられます。
 器の本体は肩に四個の広口小壺をつけた一種の台付長頸瓶ですが 頸部に二段の三角形の透かしを四方にめぐらし、胴にも刻線で三角形の文様を描いていて、実用の器から著しく変形されています。
 写真にはありませんが、高さ3.7cmの裾広がりの低い台脚がともないます。鳥は大きく羽を拡げ、いまにも神の世界に飛び立たんとした姿を表しています。稚拙なつくりですが、すばらしく大きく、みる人をして一種の怪異感を覚えしめます。いままで知られている鳥飾の最大のものでしょう。
 このような鳥形須恵器の分布の中心の一つが広島県にあり、従来七例が知られています。それらは平瓶の変形である鳥形瓶と高杯の杯部を折りまげて胴にみたてた二種のものがあります。東海地方の鳥鈕蓋とは違った一種の地方色と考えられます。

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