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鶴田 純久の章 お話
須恵器 壺
須恵器 壺

Sue ware: jar Excavated in the grounds of Tōkō-in, Kisarazu-shi, Chiba 7th century. Height 27.4cm. Tokyo National Museum.
千葉県木更津市大字桜井字峯東光院境内出土
7世紀
高さ27.4cm 口径13.4cm 胴径23.6cm
東京国立博物館
 口頸部の短い 丸底の通有な壺の一つです。口縁部に面取りがありやや下に一段突帯状の段があります。この口づくりは東日本特有の二段口縁の退化形式であり、やがてつぎの段階には段を失って一重口縁となります。このような口縁の形式からみて、この壺の製作年代を7世紀中ごろすぎに求めることができましょう。胴は丸底で、紐巻き上げ、叩き締め成形で、器面に叩目をそのまま残しています。素地は白色に近い良質の土で、還元焰によってつよく焼き締められ、口縁から肩にかけて鮮緑色の自然釉が厚くかかり、溢れて胴下半に流下しています。底部に焼成時の窯床の一部が融着しています。ありふれた日常容器でありながら、きわめて美感に富んでいます。

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