銹絵富士山香炉 朝昼暮三態

銹絵富士山香炉 朝昼暮三態
Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

Ninsei: three incense burners in the shape of Mt.Fuji in morning,daytime and evening, iron brown under glazeDiameter 38.8, 39.4 & 33.1cm Hatakeyama Kinenkan Museum
高さ10.8~11.1cm 長径33.1~39.4cm
畠山記念館
 おそらく加賀前田家に伝来したものであろう。富士山を朝、昼、夕暮の三態の趣に表現したもので、仁清の香炉のなかでも異色の作例である。平らな基部と富士形の蓋とから成り、基部には中央に灰を入れる筒をとりつけ、蓋はやや趣をかえて朝昼暮三態をあらわしたものである。山の頂き近くに煙出しの孔を三つずつ穿ち、山の裾には鉄釉で雲か松原の気分をあらわしたのであろうか、無造作な絵模様が描かれている。身のいずれにも仁清の文字が書きでつけられているが、このような彫りの彫銘のものは少ない。

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