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鶴田 純久の章 お話
須恵器 𤭯
須恵器 𤭯

Sue ware: hasō (jar with a hole for inserting a pipe spout). Excavated at Tengeji, Ureshino-machi, Mie. 5th century. Height 18.0cm.
三重県松阪市嬉野天花寺町出土
5世紀
高さ18.0cm 口径12.8cm 胴径20.0cm

 𤭯は5世紀中ごろから8世紀まで用いられた、古墳時代須恵器の最も基本的な器種の一つです。𤭯には扁球形の胴に口頸部のついたものと樽形𤭯の二種があり、後者は5世紀代のみで姿を消しました。
 前者には大小二種のものがあり、本器のような大形品は器台と組み合わせて祭器として用いられました。𤭯は胴の中央に穿たれた小孔に竹をさして、水を注ぐ器として用いられたと考えられており、浜松市在の古墳から出土した埴輪にそれを表現したものがあります。初期の𤭯は本器のように口縁帯と頸部の長さが等しいものが用いられましたが、その後しだいに頸部が延び、細長い口頸部のものに変化していきました。

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