Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

Two-color glazed ware: bowl. 8th century. Diameter 18.4cm.
8世紀
高さ5.4cm 口径18.4cm 底径11.9cm
正倉院
 正倉院陶器のうちには、この種の二彩平鉢が本器を含めて五点あります。器形的には大形の形をしており、かつて磁皿乙類として分類されていました。五点のうち、四点は身の深い同形のものですが、本器のみ浅く、薄手のつくりです。素地は卵殻色のやや粗い土を用いていますが、平底、薄手の精作です。釉文は他の四箇が段ちがい連弧文であるのに対して、本器のみは内外面ともに濃緑釉で、口縁部から底部に向けて円弧にちかい三角形を描き、その内面に二条の短い線条を、また尖端付近の両外側に三角形の緑釉を塗って、あたかも白釉の部分が鳥足形にみえる特殊な文様を描いています。内面の釉下に火襷があり、素焼きをしたことが知られます。また、内面底部に半円形の輪ドチ痕、外面底裏に三叉トチンの目痕があります。

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