Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話

Two-color glazed ware: bowl. 8th century. Diameter 22.0cm.
8世紀
高さ13.0cm 口径22.0cm 胴径24.7cm
正倉院
 口縁部を内させ、底部の尖った、いわゆる鉄鉢形の鉢で、正倉院には甲・乙・丙三種のものがあります。甲類は本器のごとく、緑釉を口縁から底部にかけて流条化させた類で九点あります。乙類は緑釉単彩丙類は緑釉連弧文を段ちがいに重ねたもので、三彩と二彩があります。
 本器のごとく緑釉を流条化させた甲類のうちにも、同一の色調で流条化させたものと、交互に濃淡塗りわけているものとがあります。
 素地は灰白色のやや粗い土を用いていますが、シャープな轆轤仕上げで、薄手の精作です。釉はまず濃緑釉の口縁から底部まで四分割した条線をひき、その間を等間隔に底部ちかくまで塗ったのち、さらにその間を淡緑釉の条線で埋めています。淡緑釉の部分はないところもあり、また長短まちまちです。その上から内外両面に白釉を施しています。底裏に重ね焼きの際の三叉トチンの目痕があります。

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