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鶴田 純久の章 お話
二彩 椀
二彩 椀

Two-color glazed ware: bowl. 8th century. Diameter 14.7cm.
8世紀
高さ4.3cm 口径14.7cm 底径5.2cm
正倉院
 正倉院陶器には同形の腕十点のうち、二彩腕が四点あります。素地・成形・釉調いずれもまったく同一で、同時作です。素地は灰白色のやや粗い土を用い、シャープな轆轤仕上げで、薄手の精作です。
 底部は削りによって平らで薄くつくられています。この裏の部分のみ露胎で、淡い卵殻色を呈しています。釉文は濃緑釉で、三角形にちかい円弧を連ねたもので、その上から白釉をかけています。釉はよく磨られていてムラがなく、鮮やかな深緑色を呈します。内面見込みに重ね焼きの際の三叉トチンの目痕があります。また、口縁端部に重ねて吊した際の紐ずれの欠けが認められます。

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