Picture of 鶴田 純久の章 お話
鶴田 純久の章 お話
黄釉 椀
黄釉 椀

Yellow glazed ware: bowl. 8th century. Diameter 13.6cm.
8世紀
高さ4.1cm 口径13.6cm 底径6.0cm
正倉院
 正倉院陶器のうちには、同形の椀十点のうち、黄釉を施したものが三点あります。素地は灰白色のやや粗い土を用いており、上手な轆轤仕上げで、薄手の精作です。底部は二彩椀と同様、箟で削りとって平滑にしており、器厚はきわめて薄いです。この底裏の部分は露胎のままで、淡い卵殻色を呈しています。釉は淡黄色でわずかに緑がかっており、かすかに銀化が認めれらる。また外面には 「御本」と呼ばれる還元気味の中性焰で焼成された際によく生じる白っぽい斑文があらわれています。口縁端にところどころ欠けたところがありますが、これは腕のすべてに共通しており、重ねて紐で吊した際の紐ずれの部分です。また器面に擦れが多く、使用痕が顕著です。

前に戻る
Facebook
Twitter
Email