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鶴田 純久の章 お話
染付花弁文徳利
染付花弁文徳利

高さ31.5㎝ 口径5.3㎝ 胴径17.6㎝ 底径10.6㎝
箱根美術館
 胴にくっきりと縦の堆線文をあらわしたこの種の徳利が、有田の百間窯で一時期焼造された。

李朝染付の影響を受けながら、独自の創意がうかがわれる。
この種の染付はいったいに小振りのものが多いが、これは稀に見る大作で・類中の白眉とされているものである。
胴の八方に二条ずつ縦堆線をつけ、四面に樹木、蔓草、菊、草花の四種を上質の呉須(コバルト)で濃くあらわしている。
白釉のかかった素地膚は僅かに青みをおびた美しい白磁胎で、百間窯の染付が明初や李朝のそれに劣らぬ上質のものであったことを如実に示している。
肩に稜をつけ、高台のやや高い器形もよく均衡を保ち、ふくらみに張りがあって力強い。
寛永以前の作であろう。

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