Seto ware: jar with four handles, iron glaze. Date of Eisho 9th year (1512). Height 35.0cm. Tokyo National Museum.
永正九年(1512)
高さ35.0cm 口径12.9cm 胴径34.2cm 底径14.0cm
東京国立博物館
裏に「祖母カフトコロ 永正九十卯月下旬 賀藤口景」の刻銘があり、一般に祖母懐茶と呼ばれているものの一つです。肩に四耳を有するこのような茶は瀬戸においては室町時代中ごろから製作が始まったようで、初期のものは当時茶壺の最高級品としてもてはやされた昌栄真に近い形のものがつくられています。16世紀に入ると本器のような肩の張りが強く、口頭部の内傾する形態のものに変化しています。素地は灰色の祖母懐土で薄手に挽き上げられ、底裏はで左回りに削っています。油層は薄く、黒褐色の古瀬戸釉が施されていますが、胴の部分は釉むらが著しいです。