Echizen ware: jar. Excavated at Obama-shi, Fukui. 14th century. Height 26.7cm. Aichi Prefectural Ceramic Museum.
福井県小浜市出土
14世紀
高さ26.7cm 口径13.2cm 胴径16.7cm 底径9.3～10.1cm
愛知県陶磁資料館
あたかも常滑の三筋壺を思わせる、越前陶としては珍しい壺形態です。古越前が常滑の製作技法を導入して成立したことを考えれば、このような壺形態の存在もまた自然にうなずけましょう。古越前としてはやや鉄分の多い、粒子の細かい土を用いており、焼き上がりはさほど固くありませんが、半面の口縁から肩にかけて黄緑色の自然釉が被って景趣を添えています。成形は胴部七段の輪積みづくりで、全面削りによる整形を行なっています。やや幅のある縁帯をもった口縁部のつくりや張りを失ったなで肩の、どことなく弱さを感じさせる形状からみて、鎌倉末から南北朝にその製作年代を求むべきであるかも知れません。
