金襴手とは色絵磁器の上に金彩を施したもので、その絢爛豪華たる趣が染織の金襴に似るところからこう呼ばれています。
陶磁器に金で文様を描くことはすでに北宋代の定窯などにみられますが、明代嘉靖年間(一五二二一六六)に金襴手が登場、完成されました。
この盛盞瓶も嘉靖年代の作で、周囲の図柄の精緻さに対し、胴の唐子の姿態がいかにもユーモラスで楽しく、見所となっています。
金彩がほとんど剥落してしまっているものが多い中で、この瓶は手擦れも少なく、保存のよさでも例をみない逸品です。
【寸法】 高さ:26.1 口径:6.1 胴径:8.5~15.8 底径:7.2 重さ:617
【所蔵】徳川黎明会