Eisen: square shallow bowl with bevelled corners in the style of gosu akae (Swatow ware)
Mouth diameter 29.5 x 30.5cm
Tokyo National Museum
高さ7.2cm 口径29.5×30.5cm 四脚
東京国立博物館
呉州赤絵の写しに妙技をふるった奥田頴川の代表的な作例とされています。見込や側面にあらわされた絵文様だけではなく、白い釉膚にいたるまで呉州赤絵の作風をよく写しています。しかし器形は、純日本的な四方隅切りの膳形に作っています。
頴川以後の幕末京焼は、中国陶磁を写しながらも器形や文様の配置などを和様化しているところに大きな特色があります。半磁質胎で、上にやや青みをおびた白い釉をかけ、見込中央に円窓をあらわして闊達な筆致で鳳凰、魚、蓮華など呉州赤絵常套の文様を鮮やかに描いています。低く立ち上がった縁の角も呉州赤絵に似せて釉はげを作り、見込には釉の縮れをあらわしています。側面四方には蓮の文様をあらわし、底の四方には雲形の脚をつけ、草花文様を描いています。
無銘の作品ですが、頴川作と断じて誤りはありますまい。大河内正敏氏が東京国立博物館に寄贈されたものです。