Eisen: incense burner in the shape of bronze Yi, in the style of kōchi (“Cochin China”, probably southern China) ware
Height 28.6cm
Kenni-ji
高さ28.6cm 左右28.5cm 底径12.7×14.1cm
建仁寺
京都建仁寺に伝来した頴川の交趾写の大作である。頴川は木米、仁阿弥、保全ら幕末京焼名工にさきがけて中国陶器の写しに名作を残した先駆的な存在でした。幕末京焼には交趾焼風の彩釉陶が数多く作られていますが、そうしたいわゆる交趾写しでも先駆をなす作例といえます。
怪異な姿の殷、周の銅器を写しながら、やはりそこには和様化された面白みがあり、頴川の作意が那辺にあったかがうかがえます。身と蓋とからなり、蓋には煙出しの孔が穿たれています。蓋には龍、身には龍や鳳凰などが線彫りであらわされ、その線彫りを境に紫、黄、緑などの色釉をかけ分けて交趾風に賦彩しています。無銘ではありますが、頴川の交趾写しの代表作で、頴川が若き日に住した建仁寺に寄進したのかもしれません。